【産前産後のママへ】今日からできる!貧血予防の食事術

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「妊娠前と比べて、疲れやすくなった。」
「少し動いただけなのに息切れがする。」

助産師みぃ

このような症状にお悩みのママは多いのではないでしょうか。

私も長男の妊娠中、貧血からくる疲れやすさや不眠・冷え性などの症状に悩まされました。
産後はますます貧血が進行し、体調が優れず朝も起きれないし気分も晴れない。産後1〜2ヶ月は本当にしんどかったです。

この経験から、次男の妊娠時には食事を徹底的に見直しました。その結果、貧血とは無縁の快適なマタニティライフとなり、産後も元気に育児を楽しむことができています。

貧血の予防で大切なのは食事を見直すこと

本記事では私の経験も交えて、妊娠中からできる貧血対策について紹介していきます。
今日からできる貧血の食事対策のポイントはこちら。

  • 貧血は妊娠中期(5〜7ヶ月)から要注意
  • 鉄分が多い食品を選ぶこと
  • 食べ合わせで鉄分の吸収率はかわる
助産師みぃ

貧血は食事で改善できます!ぜひ最後まで読んでみてね!

目次

どうして貧血になるの?

妊婦さんが貧血になりやすい理由は?

貧血とは、酸素を全身に届けるヘモグロビンという細胞が少なくなり、血液中の酸素が不足することで起こるさまざまな症状のことをいいます。このヘモグロビンの材料となるのが鉄分です。
妊婦さんの体は赤ちゃんを育てるため、このような変化があります。

  • 赤ちゃんの成長のために鉄が供給される
  • 胎盤・赤ちゃんへ血液を送るために血液量が増え、赤血球やヘモグロビンなどの血液成分が薄まりやすい

そのため、妊娠中は貧血になりやすいです。5人に1人の割合で、妊娠中に貧血があるといわれています。
貧血の指標は以下の通りです。(1)

ヘモグロビン(Hb)値 11.0 g/dL 未満
ヘマトクリット(Ht)値 33 %未満

妊婦健診では、妊娠初期(1〜4ヶ月)中期(5〜7ヶ月)後期(8〜10ヶ月)にそれぞれ血液検査を行います。
貧血が進行すると、赤ちゃんの成長がゆっくりになったり、産後の回復が遅れたりといったリスクがあります。
そのためヘモグロビンの数値が低いと、産院によっては鉄剤が処方されることがあります。
赤ちゃんがぐんぐん成長する中期(5〜7ヶ月)以降は、貧血になりやすいため注意が必要です。

貧血になると起こる症状は?

疲れやすい 息切れ めまい 立ちくらみ
不眠 冷え症 頭痛 食欲低下 無気力
顔色が悪い まぶたの裏が白くなる 
氷が無性に食べたくなる(氷食症)

妊娠中の貧血は赤ちゃんの成長に伴いじわじわ進行していきます。そのため、症状が出る頃には貧血がひどくなっていた!なんてことも。
妊娠中期以降はとくに貧血になりやすいので、妊娠がわかった時点から貧血対策ができるといいですね。

今日からできる貧血予防の食事術

鉄分の多い食品を知ろう

まず第一に、貧血の予防として鉄分を多く含む食品を日常的にとることが大切です。
鉄分は大きく分けて動物性の食品に含まれるヘム鉄と、植物性の多くに含まれる非ヘム鉄の2種類があります。 

ヘム鉄を多く含む食品
肉類(赤身肉・豚肉・鶏肉・レバー)
魚類(青魚・サケ・マグロ・カツオ)
甲殻類(エビ・カニ・イカ)など

肉や魚などの動物性の食品は、ヘム鉄が多く含まれているだけでなく、タンパク質、ビタミンB群、ミネラル類、必須脂肪酸も摂取できるので積極的に取りいれていきましょう。タンパク質はヘモグロビンの材料となり、ビタミン・ミネラルB群は体内でつくられたヘモグロビンを全身に送り届けます。

また、魚には必須脂肪酸といわれるDHA /EPAも多く含まれます。とくに青魚のアジ、サンマ、さば、しらすに豊富に含まれています。貧血に直接関わりはありませんが、DHA/EPAは赤ちゃんの成長にとっても大切。産後は母乳中にも移行して赤ちゃんの成長を支えるので、ママは意識して取り入れていきたいですね。

非ヘム鉄を多く含む食品
枝豆 小松菜 ほうれん草 ケール
ブロッコリー アスパラガス
貝類(ハマグリ・牡蠣・アサリ・しじみ)
海苔 海藻 ひじき
大豆製品(納豆・豆腐・きなこ)
ナッツ キクラゲ 
ドライフルーツ プルーン ビーツ など

助産師みぃ

太字の葉緑野菜は葉酸も多く含まれているので積極的にとっていきましょう。

鉄分の吸収率を高める食べ合わせを知ろう

動物性のヘム鉄は、体内に吸収されやすい形で鉄分が含まれています。
植物性の非ヘム鉄は単品では吸収率が低いといわれていますが、食べ合わせ次第で吸収率がグンとアップします。
その方法は、

  • タンパク質・ビタミン・ミネラル類と一緒にとる

ビタミンCとタンパク質は鉄分と一緒に食べることで吸収を高めます。
貝類や海苔などに多く含まれるビタミンB12や葉緑野菜に多く含まれる葉酸は、鉄(ヘモグロビン)を運ぶ赤血球をつくる働きがあるため合わせてとると効果的です。
ただし、ビタミンや葉酸は水に溶けやすく体内に蓄えることができない性質をもっています。そのため、調理中の損失を少なくする工夫やこまめに取り入れることが大切です。

  • レモン汁や梅干し、酢など酸味をあわせてとる

レモン汁や梅干しなどの酸味は、胃液を増加させ鉄分の吸収を高める働きがあるといわれています。唐揚げや焼き魚の付け合わせのレモンや酢橘は最高の組み合わせです。

ビタミンAの過剰摂取が心配?
レバーやうなぎに多く含まれるビタミンAは、妊娠初期の過剰摂取で赤ちゃんの発育に影響が出るといわれています。しかし、週に1回程度であれば、ほとんど影響はありません。とくにレバーの鉄分含有量はピカイチなので、レバニラのように野菜と一緒に炒めて、効率的に鉄分を摂取していきたいですね。(2)
水銀って大丈夫?
大型の魚類には水銀が含まれていることがあります。とくにキンメダイ・メカジキ・クロマグロ・メバチマグロの摂取には注意が必要ですが、こちらも週に1回程度であれば大きな影響はないとされています。(3)

鉄フライパン、鉄鍋、鉄たまごで調理してみよう

鉄製品で料理することで吸収されやすいヘム鉄が溶け出します。とくに酢、ケチャップ、塩で炒めることで鉄分の溶け出す量も増加します。(4)
鉄フライパンや鉄鍋はサビつきを予防するためのお手入れが必要になるため、手軽に鉄分を補給したいという方は鉄たまごという製品もおすすめです。
煮物や味噌汁、お茶を沸かすときなどに鍋の中に入れておくだけ。味も変えずに手軽に鉄分が補給できます。
我が家はすみっコぐらしの鉄たまごを愛用していました。

食後のコーヒー・紅茶はさけよう

コーヒー・紅茶・濃い緑茶にはタンニンという鉄分の吸収を妨げる成分が含まれています。
嗜好品として一日1〜2杯程度飲むのは問題ありませんが、できるだけ食後は30分〜1時間程度あけて飲むようにしましょう。

実際に毎日の食事に取り入れてみよう

それでは、1日の食事の中でできる貧血対策をみていきましょう。
鉄分が体内で効果的に働くためには、バランスの良い食事を摂ることが大切です。

朝食は手軽に済ませてしまいがちですが、しっかりとることを心がけましょう。
いつもの食事に1品プラスしていろいろな食材を摂りましょう。

昼食でも、タンパク質×ミネラルビタミン豊富な野菜を中心に食べられるといいですね。
野菜は調理するとビタミンやミネラルが流れ出やすいので、サラダや蒸し野菜で食べられると効果的です。

おやつにはヘルシーなナッツや、フルーツがオススメ。ドライフルーツではデーツやプルーンが食べやすいです。
スナック菓子は酸化した油が多く含まれているので、控えるのがベスト。どうしても食べたいときは、添加物の少ないシンプルな原材料のものを選択できるといいですね。

夕食の主菜には、お肉or魚を選択できるといいですね。毎日は家計に辛い!という方は、さば缶やアサリの水煮缶、シーチキンなど常備しておくと手軽に鉄分補給ご飯がつくれます。
妊娠中はいつもよりお肉や魚を食べる頻度を増やしていけるといいですね。

ちょい足し貧血対策
オイスターソースを活用しよう!
原料は亜鉛が豊富な牡蠣。ウスターソースに比べて糖質も少なく旨味が強いのが特徴。
我が家ではオイスターソースを中華料理(野菜炒め、炒飯、麻婆豆腐、餃子)
カレーやミネストローネ、参鶏湯やかき玉スープなどにもちょい足ししています。
隠し味として入れるだけで料理にコクがでて栄養価もアップ

まとめ

  • 貧血は妊娠中期(5〜7ヶ月)から注意していきましょう。
  • 鉄分が多い食品を積極的に選びましょう。
  • 食べ合わせや、調理の仕方を工夫してたくさん鉄分を摂りましょう。

貧血は食事で予防することができます。赤ちゃんも家族もママが元気なのが一番です。
毎日の食事を少し意識して、不調知らずの元気ママになりましょう。

最後まで読んでくれてありがとうございます。この記事が少しでもお役に立てたら嬉しいです。

(1)日本産婦人科・新生児血液学会http://www.jsognh.jp/common/files/qa/1-1-4_201604.pdf
(2)妊娠初期/厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3a3-02d.pdf
(3)魚介類に含まれる水銀について/厚生労働省https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/
(4)今野暁子 及川桂子/調理中に鉄鍋から溶出する鉄量の変化https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience1995/36/1/36_39/_pdf

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